日本酒の沼にハマり、唎酒師の資格を取得した伊藤ひいなさんが、多くの旅やグルメをテーマにした雑誌から引っ張りだこのフォトグラファーの父、伊藤徹也さんと、杜氏のふるさと信州 小谷村を旅した3日間です。
ここ白馬地域一帯では、飲食店の屋根看板には『白馬錦』、『白馬錦』。
地域に息づいている様子から白馬錦が愛されていることが伝わります。
「白馬錦」「月波」を醸す薄井商店。(薄井商店は小谷村のすぐ傍の大町市にあります。)
新しいお酒との出会いと、歴史を感じる門がまえに少し緊張。
蔵の入り口には新酒が出来たことを顕す杉玉がお出迎え。
伺った9月は緑の杉の葉もすっかり茶色に。
蔵人さんが1ヶ月かけて手造りした杉玉はてっぺんにちょこんと愛らしさが。
神聖な蔵。清潔な蔵の道具たち。
長さがばらばらの靴。
色んな個性の集まりでお酒が生まれることを実感。
1リットル単位で容量を測ってあるタンクでお酒の繊細さを再確認。
「月波ノ月 純米酒」と「月波ノ波 普通酒」は同じタンクから生まれ、
製造の過程で別の工程を踏むことにより完成したお酒。
元は同じなのに飲む時には全く別物になるんだから、蔵人さんってすごい!
お米は小谷村産ひとごこち、酵母は熊本酵母。
月波シリーズはその共通点を持ちながら、白馬錦のような酒質を目指したと杜氏さんは言います。
寒い小谷村の環境を生かした蔵の設備。
11月に始まる仕込みのお話は緊張感漂うものでした。
薄井社長にとっての白馬錦。 軽すぎず、どっしりしすぎず、飲み飽きしないお酒。
料理を活かしながらお燗酒で楽しむ。それが小谷村の楽しみ方だと教えてくださいました。
今回造った月波シリーズはその中心にあるようなお酒。ん~!早く味わいたい!
あるイベントでは長蛇の列となるコーナー、その名も「社長の燗」。
錫の重みのあるちろりでお燗をつけていただきました。
「月波ノ月」は45度、「月波ノ波」は48度につけるのが社長流。
所作の全てが美しい......
社長がクルクルと混ぜていたのは「おかんメーター」。
底と表面の温度を均一にするために動かして使うのが正しい使い方。
それにしてもこれで1度ずつ仕上がりの温度を調整しているなんて、社長すごいなぁ~